2012年3月24日土曜日

手放す勇気

来月7日・8日に、私がクラスを持たせて頂いてるスタジオの主催で、東中野のRaftにて公演をします。

詳細

今回私のクラス作品は、思い切って「振付しない」宣言をし、コンセプトからタイトルから何から、全て生徒たちで作る事にしました。

最初は「え…?」みたいな感じだった生徒達も、レッスンの時間になっても椅子に座ったまま動かない私を見て、「こいつほんとにやる気ないよ」と思ったかどうだか、レッスンの時間以外も集まって相談したりするようになりました。私はすっかり蚊帳の外で、みんなもなんだかいつもより楽しそうです。


もちろんうまくいかない事も多々あり、本当は口も手も出したくてたまらないけど、我慢我慢…。
見守るのも先生の仕事だ!とは思うものの、正直言って、全部自分でやるほうがよっぽど楽です。親というものはいつもこういう気持ちなんですかね。

ほんとはめっちゃ気になってるけど、気配を消すために、レッスン中にメモ帳に落書きしたりしてるダンスの先生はこの私です。







私が振付していたら作品としてはまとまるだろうし、生徒の不安も少ないだろうとは思います。私の不安も少ないです。

でも、そのまとまらない、はみ出しちゃうところに魅力を感じるし、何よりも、普段自分の意見をなかなか口にしない子達も自然と色々言っている姿を見て、あー、やって良かった、というかやらないで良かった、としみじみ思います。

暗い中でぽっとつけた電球のあかりと、影がきれいだった。
その「きれい」と思った気持ちだけで1つのシーンを作ってしまう、その純粋さにも心打たれています。


リハ前のアップも持ち回りで担当する事にしたので、私は着替えすらしないというていたらく。

今日のアップは、まずスタジオを中をランニングしながら歌を歌うというものでした。
最近歌ったり喋ったりしながらアップするのが流行ってるみたいねー、なんて思って見てたら、みんなが歌い出したのは、「Happy Birthday」でした。


私はそんなにすごいテクニックは持ちあわせていないし、かなり偏った教え方をしていると思っています。自慢できるような事は殆どないですが、この子達の先生になれて良かったなー、と心から思います。(すー、ありがとよ。)


本番まであと2週間。
そろそろ落書きもやめにして、いい作品にするために全力で見守っていこうと思います。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    わたしも、「先生」をすることがありますが、見ててやるから行け!って、見守って任せることも、先生の大きな仕事だなと思います。
    与えられた計算問題を演算できる力も大事ですが、そもそも式を立てられる力も大事で、しかも後者は日本では訓練する機会が少ないように感じています。問題を「やらせないと」できるようにならない、というのにわたしは疑問で、面白いとか、これって大事なことなんだって内発的に思えれば、自分で考えて動くことができると思うのですけれど。でもそれを実現するには、先生も決断が必要ですね。
    「手放す勇気」をお持ちの先生についておられる生徒さんたちは、幸せですね!

    返信削除
    返信
    1. あさこさん

      遅レスでごめんなさい!

      >面白いとか、これって大事なことなんだって内発的に思えれば、自分で考えて動くことができると思うのですけれど。でもそれを実現するには、先生も決断が必要ですね。

      全くおっしゃる通りだと思います。
      「面白そう!」「これ大事かも?」と思えるような機会や場を与えてあげるのも先生の役割ですよね。

      まだ若くしてダンスという夢中になれるものに出会えた生徒達は幸せだな、と思います。

      削除