2012年3月11日日曜日

2012年3月11日

私は毎年この時期になると、寒さが緩む日に「春が来た!」と勘違いして薄着で出かけ、夜にはガタガタ震えて人の上着を借りたり、稽古着を重ね着したり、ユニクロに駆け込んだり、という失態をもう何年も繰り返してきました。

3月の、桜が満開の日に生まれた私には、3月=春、というイメージが強固にあったのです。

私があんまり毎年同じ事を繰り返すので、
「そろそろあれが来るか?」
と周りの友人たちが期待するほどです。


ところが、今年は勘違いしませんでした。
なぜなら、去年の3月11日がとても寒くてオール電化の我が家では暖房器具をつけられず、その後しばらく家の中でダウンジャケットを着ていたのを忘れようがないからです。


3月は結構寒い。
私はこれをもう二度と忘れないと思います。






この一年、そういう自分のうかつさ、不用意さ、呑気さに歯噛みをするような思いで過ごしてきました。

楽天的な思い付きや希望的観測を口にするたびに後悔し、どんな失敗もいつか笑い飛ばしてやろうという若い頃からの矜恃は、木っ端微塵に吹っ飛びました。

それは、元々ネガティブな自分を笑うことで、笑われる事でポジティブに変換しようという長年の間に身に付けた知恵でしたが、それではひっくり返せない状況があると思い知り、地の自分が出るにまかせ、変換の努力を止めていたように思います。

そんな虚しい努力、何になるのさ、と自分を縛っていたのかもしれません。 

   

あれから季節が一巡りし、何が変わって何が変わらなかったかと考えます。

誤解を恐れずに言えば、変わらない、と思います。
元に戻ったんじゃなくて、変わらない。
良くも悪くも、世界は変わらないし、人間も変わらない。
唯一変えられるものは自分、と言いたいけれど、それも簡単な事じゃない。

これだけの事を確信するのに1年もかかってしまいました。


もう、いいよ。
馬鹿だと思われても、「春だ!」と叫んで飛び出せばいいじゃない。
笑ってくれる人がいるならば。 
私の誕生日には、雪が降った事もあれば、桜が満開の事もあるのです。


ネガティブ面が暗躍している時に勢いで立ち上げたこのブログですが、
「これうまかったー!」
「あの人最高だったー!」という、
ささやかで大事な事を綴る場にしていきたいと思います。



平和で幸せだった2011年の3月10日。
その続きを、2012年の3月11日から始めます。

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