2012年9月16日日曜日

選択の基準

以前クラスを持っていたある俳優養成所でのレッスンの中で、
恥ずかしがってなかなかやろうとしない子たちに向かって、

「あなた達にとっての二択は、できるかできないかじゃない。
 やるかやらないかなんだよ。」

と毎回毎回言っていました。

俳優という仕事についてはよく知りませんが、例えば
「サーフィンできる?」
「麻雀できる?」
「馬乗れる?」
「オーボエ吹ける?」
「スワヒリ語喋れる?」
「ばーっと走ってってそのままの勢いで前のめりに倒れられる?」
「脱げる?」
などと聞かれた場合、できるかできないかで言ったら
たいていの事は「できない」に属するんじゃないかと思います。




そこで「できません」と答えてしまったら、
そこでその話は終わりです。

かといってできもしない事を「できます!」と言ってしまったら
それは嘘です。迷惑かけちゃいます。

なので、「今はできないけど、やります」が、
売り出し中の若手俳優としては模範解答なんじゃないかと
思う訳です。

そう答えておけば、本人のやる気と、要求されている事のレベルの
高さと、与えられた時間を鑑みて、要求した側に考える余地が
生まれます。

そしてそう言ったからにはできなくてもやるしかない。
そういう状況に自分を追い込むことで、限界が押し上げられる
ものだと思うし。


一番下は12歳ぐらいの子達の前でそう言い続けて来た自分の
責任として、「やるかやらないか」は私自身の基準でもあります。

できるかできないか、で考えてしまう事もあり、
明確に「できない」と思う事ももちろんあるけれど、
そこに「やりたい」が加わるならば、答えは「やる」です。


長い事プレイヤーとしてだけダンスに関わってきて、
自分で作る事やソロ活動には興味がなかった私ですが、
ここしばらく、むくむくとやりたい気持ちが湧いています。

作る事も、一人で踊ることも、どちらかと言えば「できない」
方面ですが、やりたいと思うならばやりましょう。

そんな風に思うと、自然と情報が目に留まるもので、
この夏二つのイベントの出演者募集に応募をしました。

この年になって今更?とか考え始めると尻込みしそうなので、
両方とも目にしたその日に資料を作って送りました。
書類審査が通るまでは両方ともかなりドキドキしましたが、
ありがたい事に両方通りました。

さらに、ゲストコメンテーターとして出演した一人芝居のショーケースで
偉そうにコメントしたあとで「じゃああなたはできるの?」
と自分に問いかけたところ、
「できないかも。いや、できるかも。よくわかんないのでやってみたい」
と思ったので、その場で次回のショーケースへの出演を決めてしまいました。
これはさすがに一人ではできないので、その場で演出家を口説いて、
オリジナルの台本を書いてもらいました。


そういう訳で、9月、10月、11月と、3つの短いソロを上演します。
ただいま2つを稽古中ですが、はっきり言って苦しいです。
でも、そんなもんだろ、とどっかで冷静に見てる自分もいます。

クリエーションの苦しさをプレイヤーとして山ほど
経験してきているからでしょうか。
それとも、まだほんとに苦しいとこまで行ってないからでしょうか。

それはまだ分かりませんが、今はとにかく一人になる事が
必要な気がして、見に行きたい舞台も諦め、飲みの誘いも断って
家と稽古場に閉じこもっています。
昨日は一日中誰とも喋りませんでした。
そんなのいつ以来だろう?
口にしたのはヨガのマントラと、ジョナサンのオーダーだけです。
店員さんは目を合わせてくれなかったので会話にはカウントしません。


そんな孤独と戯れながら挑戦中のソロ、
お時間ありましたら是非見にいらして下さい。


9月30日(日)
Arts Chiyoda 3331
3331 EXPO
おどりのば
13:00〜16:00(出演順未定)
※「吟子」として出演
http://fes.3331.jp/2012/entry/index2.html


10月31日(水)
【一人芝居オムニバス】
10 minutes of ONE MAN PLAY vol.7
脚本/演出:谷戸亮太
SARAVA東京
19:00open 20:00start
http://l-amusee.com/saravah/


11月2日(金)〜4日(日)
混浴温泉世界
「混浴ゴールデンナイト!」
永久別府劇場
※「吟子」として出演
http://mixedbathingworld.com/project4/




「混浴ゴールデンナイト!」は、元ストリップ劇場を
改装した劇場で、もうなんか一も二もなくやりたくて。
基本、夜の人間ですし。私。
意外に猥雑ですし。私。



「おどりのば」は、出演者の中から選ばれたチームは、
2013年度に3331で自主公演できるし、稽古場も貸してもらえる
という好条件に飛びつきました。

元々、来年ソロ公演をやりたいと思っていたからです。
それも劇場じゃない場所で。
3331を自由に使えるのだとしたら…と妄想が膨らみます。

もしダメだったとしても、ソロ公演はやります。
今はとりあえず3331で選ばれる気でやってるので、
場所や何かはダメだった時に考えます。


今は一人で黙々と考えたり稽古したりの日々ですが、
「あー、才能ねー」
「あー、できねー」
と落ち込むたびに、お守りのノートを眺めます。

TwitterとFacebookで募集した、
「長井江里奈応援団」の皆さんの名簿です。
ソロ公演実現の際には皆さん集めて何かしら企てたいですが、
今のところは強力なお守りになっています。






この人たちをガッカリさせてはあかん!!
と、自分に鞭を打っています。
皆さん本当にありがとうございます。

若干現実逃避気味に長いブログを書いてしまいましたが、
これを閉じたらまたノートを胸にクリエーションに戻ります。
ステージでお会いできます事を祈って。


あ、あと、

9月25日(火)にはサラヴァ東京のショーケースに
ゲスト審査員で(with あけみママ)
http://l-amusee.com/saravah/

10月6日7日はまことクラヴで青森に
http://makoto9love.com/news.html

ソロが全部終わったあと、12月18日には
大人ディスコあけみ in セッションハウス!
もございますので、そちらも何卒。


2 件のコメント:

  1. その意気込みを買う。頑張れ!by伊藤キム

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    1. あーざーっす!
      先日もあーざーっした。

      買って損した、とは言わせませぬ。

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